「初音ミク」をご存知ですか?
私はよく知らないのですが、子供達はよく知っています。人ではなくてバーチャルの歌手なんですね〜
初音ミクの開発者がテレビ番組『プロフェッショナル』に出てました。これからは歌い手もAI になることを予測して開発したとのこと。そして初音ミクの声をつかって作曲するボカロPとよばれる人たち。そしてボカロPが作った到底人が歌えないような歌を『歌ってみた』とYouTubeで歌い上げてしまう人たち。そして今度はその歌い手が注目され、、、AIが作り出す世界、市場、、、さてこれからどんなことが起こるのでしょう、、、
今回は急速な航空技術の進化で起こった航空業界の変化をお伝えしたいと思います。
技術の進化で航空機事故率は大幅に減少
米国航空会社の定期便の航空機死亡事故率を簡単なグラフにしてみました。
1960年代から1970年代にかけて航空機の事故率が大幅に減少しています。この時期は航空技術が急速に発達した時代です。
注目して欲しいのは1970年代に大幅に事故率は減少したにも関わらずその後しばらくは事故率が0にはなっていないということ。現代になると0に限りなく近づいているのがわかるのですがそこまで行くには航空技術の発達だけでは限界があったのです。
事故の80%を占める原因とは
技術が発達する前の航空機事故の主な原因は機材故障などの技術的な原因でした。技術的な要因が大幅に減ったことで事故の主な要因が変化しました。パイロットの判断ミスなどのヒューマンエラーに起因するものに逆転したのです。そしてなんとほとんど事故に経験豊富な熟練パイロットが関係していました。航空技術が発達した後の事故の約80%がヒューマンエラーに起因するものでした。
事故率自体は減ったからいいのではと思うかもしれませんが、技術の発達で一度に搭乗できる人数が大幅に増え、1日の発着数も大幅に増えました。その結果1度の事故での死亡者数が増加し事故は減ったが死者が増える状況になっていたのです。
この現象は今後AI技術が急速に発達することを考えるとどの業界でも起こり得ることではないでしょうか?これまでは技術的なミスが目立っていたが、AIにより技術が完璧になるにつれ生産性が向上し、人間によるミスによりこれまで以上に大きな損失になることが考えられるわけです。
この人的ミス、ヒューマンエラーに対する対策を行わないと今後も航空機事故での死傷者数は増え続けることが目に見えていました。
そこで最初にその対策を提案したのがアメリカの航空宇宙局NASAです。
人はミスを犯すもの
NASAから始まりアメリカの航空会社で開発された訓練はCRM訓練と呼ばれ「人はミスを犯すもの」という考え方を前提としています。CRM訓練は今もなおブラッシュアップされ続けています。NASAの提唱からたった11年後の1990年には世界中の航空会社で導入され2006年には国際民間航空機関 (ICAO)によりパイロットのライセンス要件に加えられました。
この訓練の成果としてCRM先進国であるアメリカの航空機死亡事故率は0.000034%までに減少。この数字はなんと隕石に当たる確率より低い数字です。ちなみに隕石に当たる確率は0.0000625%
パイロットから始まった訓練は今では客室乗務員の要件にもなり整備や医療分野でも導入されています。
他分野での可能性
私は客室乗務員の時からCRM訓練についてはどの分野においても必要なことだと感じていました。チームで同じゴールに向かってそれぞれが主体的に考えチームとして一番良い決定をする。そして更にそれで良いのか考え常に正しい方向へチームを誘導する。私たちが当たり前にやってきたことは実は他の職場ではできていないことが多いのではないでしょうか?与えられた仕事をやっている人材だけではこれからの変化に対応できないのではと思ってしまいます。
もちろん技術的なスキルアップも大切ですが、同じようにチームを強くする人材を育成することの必要性は大きくなってくるのではないかと思います。
ヒューマンエラー対策としての訓練ですが、主体的に考える人材を育成することでその目的を達成させています。その成果はヒューマンエラー対策だけではなく、社員のモチベーションアップや離職率の低下、顧客満足度などにも大きく関連していると思っています。それらの問題は多くの組織が抱えているのではないでしょうか?
まとめ
AIの発達や超少子高齢化、ダイバーシティの推進などこれからの変化に対応するためにはやはり「人材」が必要です。航空会社で起こったことはこれからの参考になるのではないかと思います。来るべき未来へ向けて必要になる人材育成について少しでも参考になると幸いです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。客室乗務員の人材育成についてもっと詳しく知りたい方はぜひメルマガにご登録くださいね!!